Column

浦幌の風に吹かれて10年。感謝を込めて、新たなスタートを。

浦幌の風に吹かれて10年。感謝を込めて、新たなスタートを。

あけましておめでとうございます。 rosa rugosa(ロサ・ルゴサ)の森健太です。 2026年、新しい年が明けました。 僕にとって、この一年は少し特別な意味を持っています。 この北海道・浦幌町に移住して、ちょうど10年という月日が経ちました。 新年早々、身の引き締まるような寒さの中、昆布刈石(こぶかりいし)展望台へと車を走らせました。Mrs. GREEN APPLEの『Magic』のMVロケ地としても知られるようになったこの場所は、僕が迷ったとき、いつも立ち返る原点のような景色です。 展望台に立ち、目の前に広がる真っ青な太平洋を見つめていると、10年前に初めてこの町を訪れた日のことを思い出します。 右も左もわからず、ただ「この町で何かを成し遂げたい」という情熱だけで飛び込んできた、20代の自分。 冬の厳しさに驚き、時には思い通りにいかない現実に足がすくむこともありました。 でも、そんな僕の背中を押してくれたのは、いつもこの町の皆さんでした。 「頑張れよ」と温かい声をかけてくれる方々。 ハマナスの栽培を支えてくれる農家さん。 そして、rosa rugosaを一緒に形にしてきた仲間たち。 この10年、僕が走ってこれたのは、紛れもなく浦幌の皆さんの優しさと支えがあったからです。 「余所者」だった僕を、いつの間にかこの町の一員として受け入れてくれたこと。その温かさが、僕の最大の原動力になりました。 厳しい冬を越えて、春に力強く花を咲かせるハマナスのように。 11年目を迎える今年も、泥臭く、ひたむきに頑張っていこう。 この大好きな町への感謝を、製品という形に変えて、全国の皆様へお届けすること。それが僕ができる一番の恩返しだと思っています。 1月14日からは、日本橋三越本店でのPOP UPが始まります。 浦幌の風をまとった製品たちを携えて、毎日、僕も店頭に立ちます。 新しい一年も、rosa rugosaとともに歩んでいただけたら幸いです。 浦幌の地から、そして日本橋の会場から、皆様とお会いできるのを心よりお待ちしております。 株式会社ciokay 代表取締役...

北海道・浦幌から神戸へ。ハマナスの香りと「おいしい」を分かち合った一日

北海道・浦幌から神戸へ。ハマナスの香りと「おいしい」を分かち合った一日

「素肌の美しい人」のような香りを求めて。神戸での料理教室を終えて。こんにちは、rosa rugosa代表 森健太です。 先日、北海道・浦幌町を飛び出し、神戸のアトリエ・レピスさんで開催されたRose Cooking class~日本のバラ”ハマナス”を使ったローズソルトづくりワークショップとバラを使った料理クラス~に参加してまいりました。 前回に続いて来てくださった方、そして今回初めてお会いする方。 神戸の皆さんの温かさに触れながら、前回よりもゆっくりと、僕たちの大切な場所である浦幌町の風景写真を見ていただいたり、ハマナスへの想いをお話ししたりする時間を過ごせました。今回のワークショップで特に印象的だったのは、参加された皆さんがハマナスの香りを体験した瞬間のリアクションです。 「えっ、これがバラの香り?」 「すごくフルーティーで爽やか!」 そんな驚きの声が多く上がりました。一般的にイメージされる「バラ」と、僕が育てている日本原産の「ハマナス」には、実は大きな違いがあります。 ヨーロッパ原種のバラが、甘くてとろりとした華やかな香りだとするなら、それは「ばっちりとおめかしをした優雅な人」一方で、私たちが愛するハマナスの香りは、みずみずしく、どこかフルーツのような爽快感があります。それは、たくましさと艶を兼ね備えた、素肌の美しい人がまとっているような香りなのです。 「バラ=濃厚」というイメージを持たれていた皆さんが、この野性味あふれるクリアな香りに興味津々になり、そして癒やされていく様子を目の当たりにして、生産者としてとても嬉しく、誇らしい気持ちになりました。 ◆ 浦幌の恵みが、美しい一皿にワークショップでは、皆さんと一緒に鮮やかなピンク色の「ローズソルト」作りを行いました。そしてお待ちかねの料理クラスでは、そのソルトやハマナスを使った素晴らしいメニューが登場しました。 ローズソルトのじゃがいものガレット ローズの香りをまとったチキンの香草焼き 彩り豊かなローズサラダ&スープ ローズジャムサンドクッキー 浦幌の自然の中で育ったハマナスが、大久保たえさんの洗練された感性と出会い、こんなにも美しい料理に生まれ変わる。 「食べられるバラ」としての可能性を、僕自身も改めて五感で味わうことができました。今回のワークショップで大変ご好評をいただいた「ローズソルト」ですが、「家でも使いたい」「プレゼントしたい」という嬉しいお声をたくさんいただき、、、今後、限定販売を行う方向で準備を進めています。 浦幌の風土が育んだこの「素肌のような香り」を、より多くの方の食卓にお届けできる日を楽しみにしています。 ご参加いただいた皆様、そして素晴らしい場を作ってくださったアトリエ・レピス たえさん、本当にありがとうございました。 また、ハマナスの咲く季節に、浦幌のお話をお届けできればと思います。

ハマナスをもっと身近に。想いを込めたおやつ

ハマナスをもっと身近に。想いを込めたおやつ

北海道の大地に初夏の訪れを告げる花、ハマナス。潮風に揺れながら、可憐で鮮やかな花を咲かせます。その花びらにはビタミンCやポリフェノールが豊富に含まれ、美容や健康にもうれしい力を秘めています。 私たちは、このハマナスをもっと身近に、もっと楽しく味わっていただきたい。「花を食べられる」ワクワクを届けたい──その気持ちから、このお菓子の企画は始まりました。 その想いに共鳴し、かたちにしてくださった、神戸「L’epice(レピス)」の大久保たえさん長崎から京都・大阪、フランスを経て神戸へ。レストランやカフェなど、さまざまな食の現場で経験を重ね、いまは「ハーブ」をテーマにしたお店を営みながら、季節の素材をいかしたお菓子や料理をいろいろと手掛けています。 こうして生まれたのが、ROSE BLOOM SAND北海道産の素材で焼き上げたサクサクのクッキーに、甘酸っぱいハマナスジャムを丁寧にサンドしました。ひとくちで、花の華やかさとやさしい酸味、バターの香りが広がり、心がほっとするような時間を運んでくれます。 12個入り・専用缶ケース付き価格:2,160円(税込)📦 11月1日より順次発送スタート※数量限定のため、ご予約での確保をおすすめします。 このお菓子をきっかけに、たくさんの方にハマナスを知っていただけたら──そんな願いを込めてお届けします。 大切な人への贈り物にも、自分への小さなご褒美にも。ぜひ「花を食べるワクワク」を味わっていただければ嬉しいです。

ハマナスの香りと味わいを楽しむ一日

ハマナスの香りと味わいを楽しむ一日

今回、ロサルゴサとして初めての試みとなる蒸留教室を、神戸 L’epice(レピス)さんにて開催いたしました。アロマやバラにご興味のある方々にお集まりいただき、和やかで有意義なひとときとなりました。 ハマナスの花びらを使った蒸留では、一滴一滴ローズウォーターが流れ出すたびに会場全体にふわっと広がる香りに、「いい香り!」とたくさんのお声をいただきました。初めて蒸留をご覧になった方も、知識はあっても実際の体験は初めてという方も、植物から生まれる香りの瞬間を楽しんでいただけたのではないでしょうか。 そして「日本のバラ」と呼ばれるハマナスを、実際にご覧いただくのも初めての方が多く、この機会に知っていただけたことをとても嬉しく思います。 蒸留を通じて「香り」としてのハマナスを体感した後は、L’epice(レピス)大久保たえさんにご用意いただいた、ハマナスをテーマにした特別なランチプレートをお楽しみいただきました。 🍴ランチプレートの内容🌹 バラのローストポーク香ばしいお肉にカシューナッツのコクとハマナスの酸味。甘酸っぱいジャムでさらに深い味わいに。 さつまいもライスホクホクの甘さとふんわりごはんに、ローズソルトのやさしい塩味が広がります。 北海道産じゃがいものガレット外はカリッ、中はほくほく。ピンク色のローズソルトが彩りを添えます。 フェンネルとビーツとりんごのサラダビーツの甘みとりんごのフレッシュ感、フェンネルの爽やかさで口の中がリフレッシュ。 グリーンローズサラダ新鮮なグリーンに、ほんのりハマナス香るローズソルトを散らして軽やかに。 なすとハマナスのポタージュとろりとなめらかななすにハマナスの酸味をアクセント。後口はすっきり。 デザート:ローズのパンナコッタなめらかにとろける口どけ。いちじくコンポートとハマナスジャムで贅沢な余韻。 花の香り、彩り、食感。「香るハマナス」と「食べるハマナス」、両方を楽しんでいただける一日となりました。 初めての挑戦を温かく見守り、ご参加くださった皆さま、そして心を込めてお料理を手掛けてくださった大久保たえさんに、心より感謝申し上げます。 ロサルゴサでは今後も、神戸や北海道をはじめ、さまざまな場所でハマナスの魅力を五感で楽しんでいただける体験を企画してまいります。次回もぜひ、ご一緒できますように。

ハマナスが教えてくれること

ハマナスが教えてくれること

北海道・浦幌の畑でハマナスを育て始めてから、毎年欠かさず季節ごとの姿を見つめてきました。春のまだ冷たい風の中で芽吹く緑、夏の光を浴びて咲き誇る花、秋にかけての静かな実り。その一つひとつが僕にとっての大切な景色であり、暮らしそのものです。 毎年6月-7月になると、畑一面が鮮やかなピンクに染まり、甘く爽やかな香りが広がります。その光景は、いくら見慣れていても飽きることのない喜びで、「今年もまたこの季節が来た」と胸が高鳴ります。 けれども、2025年の畑は、いつもと違いました。気温の上昇が続き、さらにマイマイガの被害も重なって、花の数は例年に比べてぐっと少なかったのです。畑に立ち尽くし、あの広がりが見られない現実に、正直なところ落胆の気持ちもありました。秋の返り咲きも期待していましたが、今年はそれも望めないまま季節が移ろおうとしています。 自然を相手にしていると、どうしても「思い通りにはならない」という瞬間に出会います。丹精を込めても、天候や虫の影響を完全に避けることはできません。けれども、その厳しさを受けとめることもまた、この仕事の一部であり、自然とともに生きるということなのだと思います。 花が少なかった分、一輪一輪と向き合う時間が増えました。咲いた花を見つめると、その香りは例年よりも濃く、強く、深く心に残りました。数ではなく質に宿る恵み。自然はときに、「今年は数ではなく、一つひとつを大切に感じなさい」と語りかけてくれているようにも思えます。 日本には、四季の移ろいをそのまま受け入れ、その年その年の表情を愛でる文化があります。桜が一瞬で散る姿に儚さと美しさを重ねるように、ハマナスが少なかった一年もまた、その時にしか出会えない物語として心に刻んでおきたい。「順調に咲いた年」も「思うように咲かなかった年」も、すべてが自然から授かった大切な贈り物なのだと感じています。 この経験もまた、rosarugosa の物語の一部です。僕たちはただ花を育てているのではなく、自然と向き合い、その声を聞き、その恵みを暮らしへとつなぐ役割を担っています。そして、その年ごとの学びや気づきを香りや製品に込めて、皆さまへお届けしていくことこそが、僕たちの使命だと思っています。 自然は毎年同じ景色を見せてくれるわけではありません。けれども、そのゆらぎや移ろいがあるからこそ、驚きや感動、そして生きる力を与えてくれます。僕はこれからも、北海道・浦幌の畑でハマナスとともに歩み、自然の声に耳を澄ませながら、その瞬間にしか生まれない恵みを誠実に、丁寧にお届けしていきます。 どうか、この想いも含めてrosarugosaの製品を感じていただけたら嬉しく思います。森 健太

心に咲く一滴

心に咲く一滴

銅の釜に手を添え、蓋をそっと閉じる。 まるで、花の声に静かに耳を澄ませるような時間が、ここから始まる。 朝摘みのハマナスは、しっとりとした重みとともに目を覚ましたばかりの香りを抱いている。一枚一枚、手で集めたその花びらを、静かに、ゆっくりと釜へと入れていく。 用いるのは「水蒸気蒸留」という、昔ながらの技法。蒸気の力で、花が本来もつ香りをやさしく引き出す。繊細な温度調整、そして気長に待つ覚悟がいる。焦らず、急がず、花の本質だけを一滴に映しとるための時間。 冷却を終えると、銅管の先からぽとり、ぽとりと雫が落ちはじめる。それは、ただのローズウォーターではない。北の大地の風、空、土、光——すべてがそこに、確かに息づいている。 肌に触れた瞬間、どこか懐かしい気持ちや、理由のない安らぎを感じるなら、それは、花の記憶が静かに語りかけているからだ。 ロサ・ルゴサという名のすべては、この一滴から始まった。

@rosarugosa_ciokay